突然ですが私は本が好きです。なので、本についての本が好きです。図書館でいうと010番台の書架が好きで、よくそのエリアでブックガイドとか読書法なんかに関する本を見ます。たぶん食べ物が好きな人がレストランガイドを見るのと同じような感覚だと思います。「あ〜こんな面白そうな本があるんだ」とワクワクします。
子供向けの絵本にもそういったブックガイドがあると知ったのは最近でした。件の010番台の書架で絵本に関するブックガイドを見つけ、「絵本にもこういうのあるんだ!」と嬉しくなりました。
もともと、くもんの推薦図書の存在は知っていて、絵本はそれを参考に選べばいいのかなと単純に思っていました。また、以下の本は読んだことがあり、プラスアルファでここから選べばいいのかなぁくらいに思っていました。
この佐藤ママの本も、絵本を選ぶ指針の参考になりました。でもこれ以外にも色々と面白いブックガイドがあることを知りました。
以前は絵本選ぶにあたって、図書館の絵本コーナーに行っても、「なんとなく役に立ちそう」とか「これ知ってる」とかぼんやりとした解像度でしか選んでいなかった気がします。
ブックガイドを読むと、世の中にどういった絵本があるか?どういう絵本が定番で、どういう絵本がトレンドなのか。そういった「相場感」が養われるので、絵本棚に行って作品を見ると「これはこのシリーズね」「これはあの絵本ね」「この絵本は知らなかったな」と色分けが自然にできるようになり、絵本がとても選びやすくなりました。
また、お下がりでもらった絵本が紹介されていると「これはこういう位置づけの作品だったのね」と改めて価値を感じたり、昔自分が読んだ絵本が紹介されていると「こんな絵本あったなー!」と自分の記憶の箱が開いて楽しくなったり。
私が考える良い絵本ブックガイドの基準
・書影だけではなく、中のページが引用されて紹介されていること
上記のように1ページでも構わないので中が見られると、作品の世界観が分かりやすいので良きです。
絵本って電子書籍対応してないものも多いので、amazonとかでちょっと中身見たいなと思っても見られないものも多いんですよね。。
なので中身の紹介を一覧性のある形で行ってくれるブックガイドはめっちゃありがたいのです。
・幅広いジャンルを紹介している本
定番〜ややマニアックとか、物語〜科学絵本とか、縦にも横にも幅広く紹介しているブックガイドが理想的。ただ、前段の「内容の引用がある」縛りで選ぶと、なかなか難しい。それでもジャンルまたは深度のいずれかが幅広いブックガイドが読む価値ありと思います。
・マニアックになりすぎない本
アート性が強かったり、語り口が難しすぎたりで、子供が読むのには「?」という本も世の中にあるのだなと知りました。おそらく大人向けの作品なのでしょう。「これ、うちの子供に読んでも多分わからないだろうなぁ。。」と感じる本とか、自分が読み聞かせしにくそうだな、と感じる本は、きっとその通りなのだと思います。そういった絵本の割合が多い本は、内容のボリュームが多くても実質的に本選びの役には立たないので除外しました。
そういう意味でロングセラーとかベストセラーの定番作品は、そうなっているだけの理由がある、子供の心を捉えやすく分かりやすい作品なのだなと再確認しました。
おすすめの絵本ブックガイド
上記の基準に基づいて私が良いと思ったブックガイドを以下に並べます。入門から中級?まで徐々に深度を深める順で紹介します。
↑絵本ナビ(https://www.ehonnavi.net/)監修のブックガイド。ド定番の本&物語に偏っていますが(前段の通り、ド定番=ロングセラー本は多くの子供が食いつく絵本=魅力のある作品なのでそれに絞られているのは悪いことではないです)、大判で内容の引用も多いので、ブックガイド入門にお勧めです。
前段で載せた画像はこちらの本の中身です。
イヤイヤ期、寝てくれない、歯磨きを嫌がる…等、お悩みのテーマ別に絵本を紹介。ブックガイド読む前は、「絵本って何を選んだらいいのか・・?」とよく分からなかったのですが、この本は育児の悩みに役立つ切り口で絵本を選べたので、親自身が絵本生活の入口に入りやすいブックガイドと思いました。
「別冊太陽」という雑誌の絵本特集。この辺からボリュームが多くなってきます。物語絵本が大半ですが、定番〜ややマニアックな作品までカバー。マニアックな中でも子供も読みやすい絵本に絞られているのが好印象。科学絵本も少しですが紹介されています。
この別冊太陽は「怖い絵本」とか「科学絵本」等、いろいろな特集で発刊されているのでよく読んでいます。
絵本専門店クレヨンハウスによるブックガイド。こちらのブックガイドは幅広いジャンルをカバーしていて、こういった網羅系のブックガイドの中では珍しく科学絵本の紹介も充実しているのでお勧めです。こちらの本で「ちのはなし」(堀内誠一)という絵本を知って「絵本って、物語以外にもこういうサイエンス系の絵本もあるのか」と気付かされました。私の子供は最近指を怪我して「血が出ちゃう?」としょっちゅう言っていたので、この本を読んで「体の中を血の道が通っているんだよ〜」と教えてあげました。
どうしても絵本は物語に偏りがちなので、その時々で子供が食いつくテーマを捉えながら、科学絵本も積極的に読んであげたいと感じました。
四日市市にある絵本専門店メリーゴーランドの増田喜昭氏によるブックガイド。前半が色々な絵本作家や作家との対談。様々な絵本の裏話だったり、自身のルーツになった絵本の紹介がされている。絵本によって色んな世界観が生まれるんだなと読み物としても面白かったです。逆に絵本が子供の世界観に与える影響ってすごいんだなと恐れを抱いたり。
中盤以降は著者の増田さんによる絵本愛溢れるレビュー。ただの内容紹介ではなく、ひとりの人間としての実感が入ったブックレビューで読み応えあります。
個人的な話ですが「月夜のみみずく」という絵本が昔小学校の教科書に載っていて、好きな内容だったのですがどうしてもタイトルが思い出せない作品でした。その本がこのブックガイドで紹介されていて「あの本、こういうタイトルだったのか」と再会できてとても嬉しく思いました。昔読んだことのある絵本と大人になって再会できるのも、絵本ブックガイドを読む喜びのひとつ。
科学絵本のブックガイドもあるのですがまたの機会に。
ということで絵本のブックガイドお勧めです。居間で私が絵本のブックガイドを読んでいると子供が「これ読みたい〜」と言ってきたりして(絵柄で選んでいるのだと思いますが)、嬉しくなります^^
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